メインイメージ

なぜ電気自動車ではなくハイブリッド?

ハイブリッドカーは「2つのエネルギー源で稼働出来る自動車」です。ですが、技術的にはすでに「電気だけ」で走行可能な自動車を精算する技術もあります。それなのになぜあえて「ハイブリッド」なのかということを少し考えたいと思います。

ハイブリッドカーは電気とガソリンで駆動する車なのですが、実はその「電気」の部分は補給するものではない場合が多いです。つまり、コンセントから給電するようなものではないのです。それではどこからエネルギーを得るのかというと、その車の「動作」から得ています。自動車が駆動する際には様々な摩擦が発生します。「摩擦」はエネルギーを発生する源にもなります。エネルギーがゼロの状態ではなんのエネルギーも発生しませんが、ハイブリッドカーには「ガソリン」というもうひとつのエネルギー源があります。そちらを動力として走行している際に、制動するために発生した摩擦エネルギーを電気に変換して蓄電します。そして、燃費の悪くなる低速走行時にその電気をエネルギー源として駆動するのです。つまり、ハイブリッドカーの根本は「ロスしているエネルギーの再利用」ということです。ですから「充電」する必要のないものが多いのです。また、大型のハイブリッドカーの中には燃費の良い安定速度の走行時に、同時に発電用のタービンを回転させて蓄電するものもあります。

これは「2つのエネルギーで駆動する」というよりも、「限られたエネルギーを有効に使う」ということです。ブレーキなどの摩擦によって本来ロスしているエネルギーを電気に変換し、再利用しているのです。ですから、「ハイブリッドカー」は格段に燃費の良い「ガソリン車」なのです。

車のためのエネルギー供給は、「ガソリンスタンド」で行います。ガソリンスタンドは当たり前のように全国にあります。エネルギーが尽きてしまえば、その車は動くことができません。動くことができない車はただの鉄の固まりです。自転車やバイクのように押して動かすということができないのです。そこで停止してしまえば、移動させることができません。ですから、ドライバーは常に稼働させることが出来るように、車からガソリンを絶やしてはいけません。

これが電気自動車になると、その車は常に「蓄電」していなければいけません。ですが、街中を見渡しても、車を充電できるような施設がありません。

これが「ハイブリッド」である理由です。電気自動車は事実上「利用できない」のです。電気自動車が普及するためには、「車全体を電気自動車に移行する」という社会的な取り決めが必要になります。そしてその電気自動車を支える機構、インフラが整って初めて、一般的に利用出来るようになるのです。それを実現するためには途方も無い手間、そしてコストが必要です。

今私たちに出来ることは、「燃費を極限までよくすること」しかありません。100パーセント電気で駆動する自動車はすでに存在しますが、それでは遠出は不可能です。「車の本質」を考えると、エネルギーを補給できる拠点がいくつも必要なのです。ですから、ハイブリッドカーなのです。限られた資源を有効活用するための技術、そして現在のエネルギー供給のインフラも有効活用することができるのです。

Copyright© ハイブリッドカーでエコな暮らし All Rights Reserved.